新緑の芝生に感じる生命の息吹き 肌に伝わる彼らの声
風に揺らされ涼しげな姿 映すのは優しく愛でる少女の瞳
蒼い空に漂う白い雲 恵みの光を遮る彼を恨むこともなく
ともに元気で在ることを喜び 感謝の微笑みさえ浮かべる
特別でも虚無な存在でもなく ただ静かにたたずむ少女
慈しむ心は優しき想いの中に在りて 天賦の才ではなく
負い傷から雫がこぼれようとも 心亡くすこともなく
硬い防壁を持たずとも 穏やかにつつみこむ光滴の風
悪意を持って触れるなら 起こした波紋の大きさを知り
砕けた滴の数だけ 自らの愚かさを悔いることとなる
だがそれさえも 彼女は傷を生んだことに謝罪する
寵愛のかごには留まらず 少女は野鳥であることを望み
踏み出した一歩 道を示した少年の側に在ることを願う
そして導かれた先にある 同じ翼を持つ仲間との旅立ち
新たな息吹を受けて育む 絆と呼ばれる紡がれた糸
手を添えて束ねる幸せ 喜びに頬の緩んだ笑顔が浮かぶ
料理に天賦の才を見せるも 紡いだ糸の前には力なく
互いに紡いだその糸は いつしか光り輝く珠玉の石となる
彼女がその重さを感じたとき 失うことの意味を知る
それに傷つくことなく 新たな絆が紡がれることを願う
残された者達の偽らざる想い 遠く離れた地へ届けたい